解体工事をしたいけどアスベストが心配…工事をしても大丈夫?

解体工事の知識

解体工事においてアスベストの除去が必要だとご存知の方も多いのではないでしょうか。危険なイメージがあるアスベストですが、実際どのようなものなのか今回はアスベストについて詳しく解説していきます。

アスベストとは?

アスベストとは「石綿(いしわた・せきめん)」と呼ばれる天然鉱石のことです。2005年頃までは建物の火災防止目的のためにさまざまな箇所で採用されていました。

近年建築された建物ではアスベストが使用されていることはありませんが、2006年以前に建築されえた建物ではアスベスト含有の建材が使用されている可能性があるので注意が必要です。

アスベストはなぜ危険?

空中に飛散したアスベストの繊維を吸い込んでしまうと、肺がんや悪性中皮腫を引き起こす原因となることが判明したため、徐々に使用禁止になりました。

そのような健康被害の症状はすぐには現れず、15年以上の潜伏期間があり、サイレントキラーとも呼ばれるほど危険な物なのです。

アスベスト対策は必須!

2021年4月より、「大気汚染防止法の一部を改正する法律」が施工され、解体工事やリフォーム工事の前にはアスベストの調査を行うことが義務化されました。

工事の規模にかかわらず、設計図書や目視によるアスベスト調査を必ず行わなければなりません。

アスベストを含む建物の解体

もしも解体をする建物にアスベストが含まれていることが判明した場合、事前に必要書類の提出が必要となります。

<アスベストを含む解体工事の流れ>

1. まずは事前調査

アスベストが使用されているかどうかを調べるには、該当の建物の図面や設計図書が残っていれば建物の仕様や使われている建材名がわかるので判断することができます。

また、建物の築年数からも推測することはできますが、図面調査と築年数のみで判断してしまうのは非常に危険なので、現地調査にて確認を行います。また現場調査には、建築物石綿含有建材調査者の資格を有する方の調査が望ましいでしょう。

2. アスベスト解体工事の届け出を提出

調査の結果、アスベストを含んでいる建物であれば作業レベルに合わせて届け出の提出が必要となります。

アスベストを含んだ建物を解体するにもかかわらず、ずさんな工事が行われてしまうと周囲にアスベストを拡散させ、作業員のみならず近隣にも重大な被害を与えてしまうことになります。

そのようなことを防止するために、国土交通省では危険性に応じた作業レベルを定めており、解体業者はそのレベルに合わせたアスベストの飛散防止対策を行うことが重要です。

レベル1:発じん性が著しく高い

最も危険度が高い作業になります。

これは、アスベスト含有吹き付け際の除去が該当しますが、一般住宅ではほぼ使用されていることはありません。

<必要な届け出>

  • 工事計画届…工事着工14日前までに所轄の労働基準監督署長へ提出
  • 特定粉じん排出等作業実施届…工事着工14日前までに都道府県知事へ提出
  • 事前届け出…工事着工7日前までに都道府県知事へ提出
  • 建築物解体等作業届…作業前に所轄の労働基準監督署長へ提出
レベル2:発じん性が高い

発じん性が高く、アスベスト含有断熱材・保湿材などの除去が対象となり、レベル1に準じた対策を要する場合。

<必要な届け出>

  • 工事計画届
  • 特定粉じん排出等作業実施届
  • 事前届け出
レベル3:発じん性が比較的低い

発じん性が比較的低い作業で、アスベストが含有されたスレート(屋根材)やビニル床タイルなど主に形成された建材を除去する場合。

飛散しにくいですが、切断や破砕作業を行う場合には周囲への飛散に注意が必要です。

<必要な届け出>

  • 事前届け出

レベル3においてはアスベスト除去工事関連の届け出は不要となります。

3. 近隣挨拶で解体工事の説明

アスベストの有無にかかわらず、解体工事を行う前には事前に近隣への挨拶が大切となります。

特にアスベストの除去が必要になる工事のときには業者と施主が一緒にご近所へ訪問し、除去工事の方法や注意点を詳しく説明することが大切になってきます。

4. 解体工事の実施

いざ解体工事を開始する前に、工事内容のおしらせを掲示し、工事関係者以外を立ち入らせないようにします。

また、建物の周りには足場を組み、養生シートで建物を覆って作業場所を隔離した状態にします。解体工事中にアスベストは飛散するのを防ぐためにも、通常の解体工事より入念に安全対策が必要になります。

さらに、作業員には作業レベルに適したマスク・保護衣・作業着を装着することが法律で義務付けられています。

5. 建物解体工事および整地

アスベストの除去がほぼ完了したら、ほこりが舞うことを防ぐため、十分に飛散しながら屋根・外壁・構造体・基礎を解体していきます。

全体の解体が終わったら敷地内のゴミを撤去して整地します。

まとめ

アスベストは健康被害をもたらす大変危険な性質をもっていますが、優良な解体業者であれば正しい方法でアスベストを除去し、解体工事を行います。

高崎市、前橋市をはじめ群馬県内でアスベストを含んでいる可能性のある建物を解体依頼するのであれば、まっすぐ解体にご連絡ください!

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