アスベストの調査は必須?費用はどれくらい?
健康に影響を及ぼすことで知られている「アスベスト」ですが、建物を解体するにあたってアスベストを調査することが必須になっていることはご存知でしょうか。今回はアスベストについて解説していきます。
アスベストとは?
そもそもアスベストとは何かをご説明します。アスベストは「石綿」とも呼ばれている、天然に採れる鉱物の一種です。鉱物でありながらも、まるで綿のように軽量なために、石綿という名称が付いています。
比較的安価な素材であり、耐熱・防音・電気絶縁性といった様々な効果を持つため、多くの建物に利用されてきました。しかし、発がん性などの健康被害が判明してからは利用禁止となりました。
アスベストによる病気が発生するまでには十数年以上に及ぶ潜伏期間があり、「サイレントキラー」などとも表現されています。
厚生労働省の統計によると、群馬県内では1995〜2020年までに279人がアスベストの影響によるとみられる中皮腫で死亡したとの情報もあります。
アスベストを含む建物とは
国内でアスベストが使われるようになったのは1955年頃からで、1975年に規制されるまでは多くの建物で採用されてきました。全面禁止となったのは2006年なので、2006年以前までに建てられた建造物に関してはアスベストが含まれている可能性が高いでしょう。
アスベスト調査の必要性
2006年以前に建造された建物にはアスベストが利用されている可能性があるので、それらの建物の解体や改修工事を行う際には適切な流れに沿って調査を進めなければいけません。アスベストを含んだ建物をそのまま解体してしまうことで、作業員だけでなく、近隣の住民にも重大な健康被害を及ぼしてしまう可能性があります。そのため、工事着工前に十分な調査を行う必要があります。
アスベスト除去の費用相場
アスベスト除去工事は処理面積に応じて費用がかかってきます。下記の表は2007年に国土交通省が公表したアスベスト除去費用の目安です。こちらをもとに調査・分析を行い、除去費用の相場を算出しています。
処理面積 | 費用の目安 |
300平方メートル以下 | 2万~8.5万円/平方メートル |
300~1000平方メートル | 1.5万~4.5万円/平方メートル |
1000平方メートル以上 | 1万~3万円/平方メートル |
アスベスト除去費用の相場には事前調査、仮設工事、廃棄物の処分などすべての工事内容を含んでいます。アスベストを処理する面積は建物の延べ面積とは異なりますので、事前調査にて処分が必要な範囲を確実に判断してもらうことが大事です。
アスベスト除去工事の手順
解体工事においてアスベストを含む建物を解体するときの手順は下記の通りです。
1.事前調査 | 解体・改修を行う建造物にアスベストが使用されているかを入念に調査する。 |
2.施工計画・届出 | アスベスト除去の施工計画書を作成、所轄官庁(保健所・労働基準監督署)に届出を行い、審査を受ける。 |
3.隔離養生 | アスベストの外部への飛散を防ぐため、作業エリアを専用シートにて隙間のないように隔離養生を行う。 |
4.機器類設置 | 作業場出入口にセキュリティーゾーンを設置する。また、負圧除じん装置を設置することで作業エリア内を負圧状態にし、外部へのアスベストの飛散を防止する。 |
5.所轄官庁の立会検査 | 隔離養生完了後、所轄官庁の立会検査を受け、合格後に除去作業に取り掛かる。 |
6.アスベスト除去作業 | 粉じん飛散抑制剤を散布しながらケレン棒、ワイヤーブラシ等で手作業にてアスベストを取り残しのないように入念に掻き落とす。 作業員はアスベストに暴露しないよう、保護マスク、専用の保護衣等を着用する。 |
7.飛散防止剤の散布 | 除去作業完了後、作業エリア内全面に粉じん飛散防止剤を散布し、空中に残存しているアスベスト繊維を養生面に吸着させる。 |
8.養生の撤去 | 除去エリア内のアスベストが完全に取り除かれたのを確認した後、隔離養生を撤去する。 |
9.廃石綿の搬出・処分 | 発生したアスベスト廃材は専用の袋に二重詰めにし、許可を受けている処分場にて処分を行う。 |
10.アスベスト粉じん濃度の測定 | 作業前・中・後に空気中のアスベスト粉じん濃度を測定し、外部へアスベストが飛散していない事を確認しながら作業する。 |
アスベストを含有する建物の解体は、このような流れで適切な除去工事を行う必要があります。
まとめ
今回はアスベストについて、除去の必要性や費用、流れについてご紹介しました。アスベストを含んだ建物や、アスベストが含まれている可能性のある建物の解体工事でも、安心してまっすぐ解体におまかせください。高崎市、前橋市をはじめ群馬県内でアスベスト除去・解体工事をご検討中の方はお気軽にご相談ください!