解体工事のとき、浄化槽ってどうやって撤去するの?費用は?
地中に埋まっている「浄化槽」ですが、浄化槽って一体どんな働きをする装置で家庭に設置されているかご存知でしょうか。今回は浄化槽とその撤去方法について解説していきます。
浄化槽はなぜ設置されている?
浄化槽は生活排水を微生物などの働きによって綺麗な水に洗浄する汚水処理の役割があります。1人あたりの1日の生活排水は200〜250ℓも出ると言われています。その排水は浄化槽によって洗浄され、そのまま河川へ流れていきます。環境保全のためにも大変重要な装置です。通常、浄化槽は地中に埋まっている装置のため、直接目にする機会はありませんが最も身近に存在する汚水処理施設と言えるでしょう。
浄化槽には種類がある
浄化槽には単独処理浄化槽と合併処理浄化槽の2種類があります。また、材質がコンクリートとFRP(繊維強化プラスチック)に分かれています。
単独処理浄化槽
トイレの汚水を対象とした浄化槽で「みなし浄化槽」と呼ばれることもあります。トイレの汚水しか浄化できないために、単独浄化槽という名称が付いているそうです。
現代においてはトイレの汚水以外にも様々な生活排水が増えており、徐々に単独浄化槽の使用は減少していきました。そのため、2001年4月より単独浄化槽の製造および販売が禁止となりました。現在は合併処理浄化槽への切り替えが推奨されています。
合併処理浄化槽
合併処理浄化槽はトイレの汚水以外にも風呂やキッチン、洗濯などで排出される生活排水全般を浄化することができる汚水処理施設です。現在では法律によって設置が許可されているのは合併処理浄化槽のみとなります。
浄化槽の撤去方法
浄化槽を撤去する前には清掃・消毒を行う必要があります。「浄化槽清掃業」の許可を受けた専門業者へ連絡し、撤去前に済ませておくよう依頼をしましょう。清掃・消毒の費用としては2〜4万円ほどかかります。撤去と合わせると10万円前後かかる場合もあります。
浄化槽を撤去するのには3種類の方法があります。
①全撤去
全撤去とは浄化槽の本体、部材、装置すべてを撤去する方法です。全撤去のメリットとしては、不法投棄とみなされる恐れがなく、安心であることが挙げられます。また、土地の売却の際には浄化槽の全撤去が必要になるので、土地の売却予定があるのであれば最初から全撤去を行うのが良いでしょう。
デメリットとしては、3つの撤去方法の中でも最も費用がかかることです。
②埋め戻し
埋め戻しとは、浄化槽の3分の1程度の装置や部材のみを撤去し、残りの3分の2ほどの本体は再度地中に埋めて戻す方法です。埋め戻しのメリットは、全撤去と比較して費用を抑えられることです。一方、デメリットはずっと地中に埋めて放置しておくことで不法投棄と見做されることが懸念されたり、土地を売却することになれば浄化槽を再度掘り起こし、売主側で全撤去をする必要があるということが挙げられます。一時的に費用を抑えることはできますが、のちに費用がかかる場合があるのであまりおすすめはできません。
③埋め殺し
埋め殺しとは、装置や部材を残したままで浄化槽を地中に埋めてしまう方法です。使っていない不要なものを地中にそのまま放置するということは、不法投棄と見做されてしまう可能性があります。
また、内部に汚水が残っている場合は法律違反となり、5年以下の懲役、もしくは1,000万円以下の罰金(法人の場合3億円以下の罰金)に処せられることになります。
撤去後には届出を
浄化槽を撤去した場合、法律によって使用を廃止した日から30日以内に「浄化槽使用廃止届出書」を市町村または県に提出する必要があります。
また、届出の際には最終清掃の記録が必須になっている自治体もあるので、事前に対象の自治体まで確認するようにしましょう。
解体工事中に浄化槽を発見したら?
解体工事を進めている中で、放置されていた浄化槽が出てきた場合にはいわゆる「地中埋設物」という扱いになるので追加費用が発生してしまいます。また、撤去前には清掃が正しく行われ、浄化槽の中に汚物が残っていないか確認することも必要になります。
撤去自体は解体工事会社が対応可能ですが、点検や清掃については自治体の許可を受けた保守点検業者に行ってもらう必要があるのでご注意ください。
これらのことを踏まえてもやはり、浄化槽は撤去せずそのまま埋めておくことをおすすめはできません。
まとめ
今回は浄化槽の役目や撤去方法について解説してきました。浄化槽は正しい方法で撤去を行わないと、のちに違法になってしまう場合もあるので解体工事を行う際には浄化槽の撤去方法についてきちんと検討することが大事です。高崎市、前橋市をはじめ群馬県内でアスベスト除去・解体工事をご検討中の方はお気軽にご相談ください!解体工事に伴う浄化槽の撤去についてもお問い合わせください。