【解体】粉じんの健康被害とそのための具体的な対策を解説!
建築物や構造物の解体工事において、粉じんが発生することがあります。粉じんには、人体に有害な成分が含まれているため、作業員の健康被害が懸念されます。そのため、解体工事においては、粉じん対策が必要不可欠となっています。
本記事では、解体工事における粉じん対策について、具体的な対策例や実施方法、効果とリスク管理について解説します。
粉じん発生源と種類
解体工事における粉じんの発生源としては、以下のようなものがあります。
- 建築物の材料
- 木材、石材、金属、ガラス、石膏ボードなどの建築材料を切断・破砕することによって発生します。
- 塗装
- 建築物の外壁や内壁に施された塗装を削ったり、剥がしたりすることによって発生します。
- コンクリートの破砕
- 建築物の構造部分であるコンクリートを破砕することによって発生します。
- アスベスト
- 建築物内に含まれるアスベストを取り除く際に発生します。
粉じんの種類には、以下のようなものがあります。
- 石英粉じん
- 建築物の材料やコンクリートの破砕によって発生するもので、呼吸器系の疾患を引き起こすことがあります。
- 金属粉じん
- 金属の切断や研削によって発生するもので、肺炎や癌のリスクを増加させることがあります。
- 塗装粉じん
- 建築物の塗装の削りカスによって発生するもので、皮膚炎や呼吸器系の疾患を引き起こすことがあります。
- アスベスト粉じん
- アスベストを含む建材を取り扱う際に発生するもので、肺がんや中皮腫を引き起こすことがあります。
以上のように、粉じんには健康被害を引き起こすものが多数存在します。したがって、解体工事においては、適切な粉じん対策が必要となります。
粉じん対策の具体例
解体工事における粉じん対策には、以下のような具体例があります。
- 防塵シートの使用
- 解体現場周辺に防塵シートを張り、粉じんの拡散を防止する方法です。
- 風向きによる解体スケジュールの調整
- 風向きによっては、周辺住民に粉じんが飛散する可能性があります。そのため、風向きを考慮して解体スケジュールを調整することが必要です。
- 粉じん発生源からの距離の確保
- 解体現場周辺にある住宅や建物から一定距離を確保することによって、周辺住民への被害を防止する方法です。
- 粉じん発生源の湿潤化
- 水をかけたり、噴霧器を使用して粉じん発生源を湿潤化することによって、粉じんの発生を抑制する方法です。
- 作業員の防護具の着用
- マスク、ゴーグル、手袋、作業着などの防護具を着用することによって、作業員自身の健康被害を防止する方法です。
- 通風設備の設置
- 解体現場に通風設備を設置し、粉じんを拡散させないようにする方法です。
- 粉じん発生源の移動
- 粉じんが発生する作業を、専用の密閉型作業場所で行うことによって、周辺住民や作業員の健康被害を防止する方法です。
以上のような具体例があります。解体工事においては、これらの粉じん対策を総合的に実施することが重要です。
まとめ
解体工事における粉じん対策についてまとめました。
粉じんが発生することで健康被害や環境汚染が生じることを説明し、具体的な対策例として湿式作業や局所排気装置、防塵シートの使用を挙げました。今後は、技術や法律の進歩によって安全かつ効果的な対策方法が開発されることを期待し、関係者が協力して取り組んでいくことが必要です。解体工事における粉じん対策は、作業員や周辺住民の健康や安全を守るために重要な課題であり、より安全で持続可能な社会の実現に向けて取り組む必要があります。